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トレンドレポート

2025.11.28

グミの人気から読み解く!ヒット商品に共通する3つの法則

年々市場が拡大している「グミ」。子どもから大人まで幅広い世代に愛される理由とは?人気カテゴリーの深掘りを通じて、生活者の志向やトレンドの変化を探ります。ここでは『グミがわかればヒットの法則がわかる』の著者・白鳥和生さんに、グミがヒットする背景や、そこに潜む“売れる商品の共通点”について詳しく伺いました。

流通科学大学教授
白鳥和生氏

流通科学大学教授
白鳥和生氏

1967年生まれ。1990年日本経済新聞社入社。速報部や消費産業部などを経て、2014年より調査部に所属。小売や外食、食品メーカー、流通政策を長年取材。日本経済新聞や日経MJのデスクも歴任。2020年に博士(総合社会文化)を取得。著書に『グミがわかればヒットの法則がわかる』(プレジデント社)などがある。

コロナ禍でさらに人気拡大。コミュニケーションツールにも

カラフルで楽しい新製品が次々に登場し、店頭をにぎわせている「グミ」。2021年にはグミの売上がガムの売上を上回り、市場が逆転しました。さらにグミ市場は2022年からの3年間で約2割拡大し、今後は1000億円を超えると予想されています。

●グミとガムの売上が逆転

コロナ禍の2021年、グミがチューインガムの市場規模を上回った。2023年には972億円に達し、グミ市場は拡大を続けている。

出典:インテージ

コロナ禍の2021年、グミがチューインガムの市場規模を上回った。2023年には972億円に達し、グミ市場は拡大を続けている。

出典:インテージ

日本国内におけるグミの歴史は約40年に及びますが、コロナ禍を経て、新たなコミュニケーションツールとしての役割が強まりました。また、リモートワークの普及により、外で食べるだけでなく、家でも食べる常備菓子へと消費シーンが変化・拡大したことで市場が拡大し、さらに世代を超えた人気にもつながっていると考えられます。

●グミの歴史

グミとはどんな存在なのか?5つのベネフィットと価値

グミの市場動向や消費者調査からは、グミの持つ5つの要素が見えてきました。

小腹を満たしたいときや、気分転換時のお菓子としてフィットし、手軽なご褒美スイーツとして幸せ感にもつながる

低価格で手軽なプチ贅沢品、果物の代替ニーズを満たし、コストパフォーマンス(コスパ)やタイムパフォーマンス(タイパ)につながる

形、フレーバーなどがバラエティー豊かで、「楽しさ」につながる

新商品や季節限定商品の発売により「次はどんなグミに出会える?」という期待感が得られる

⑤グミが会話のきっかけになるなど「つながっていることを実感」できるコミュニケーションツールとなる

このように、グミには「幸福感」や「コミュニケーションツール」といった特有のベネフィットや価値があり、グミが今までにない多様な価値を提供する存在になっているとも言えそうです。

ヒットの理由は「驚き」と「納得感」そして「人に伝えたくなる」

特にZ世代については、コロナ禍で制限されたコミュニケーションの中、「このグミ食べてみて」といったリアルな会話のきっかけとなり、コンビニでの新商品情報を共有するなどSNSでも話題となりました。

グミの中でもヒットする商品の共通点としては、「驚き」と「感動」が挙げられます。意外性や期待を上回る体験が「驚き」を生み出し、「納得感」を与えます。それが「誰かに伝えたくなる」という行動へとつながり、SNSの拡散力でヒット商品が生まれる原動力となっているのです。

SNS時代のヒット商品とファンを育てる戦略とは?

ヒットの法則はいつの時代も変わりませんが、現在はSNSの影響力が劇的に増大しています。特にグミ市場では、話題づくりも成功の大きな要因となりました。メーカーや小売業者だけではなく、日本グミ協会が「グミの日」などのイベントを自主的に行い、情報を発信しています。

さらに、重要なのは消費者に商品やブランドへの愛着を持たせ、ファンをどう育てていくかです。「驚き・感動」「納得感」「伝えたくなる」の3要素がそろえば、繰り返し商品を手に取ってくれるリピーターができ、そのリピーターがファンになってくれる可能性があります。

そのファンが自然にコミュニティを形成し、そのコミュニティがブランドを支えていくでしょう。企業は、このファンの力をどう活用するかがカギとなります。企業はコミュニティが形成されやすい環境を整え、サポートを行うことが求められるのです。このプロセスでは、企業の意図が過度に前面に出ないようにすることが課題となります。「うまく利用したい」ではなく、「寄り添う」姿勢が重要です。

 

※本記事は、イオングループ内マーケティングレポート「イオンのアンテナ」をもとに抜粋・再構成したものです。